金属アレルギー(2004.3)
金属アレルギーによる皮膚病変(あるいは粘膜病変)には,金属が接触して起こる接触皮膚炎(かぶれ)と,直接接触しないところに皮膚病変をつくるもの(例えば歯の金属による皮膚病変)とがあります.
金属による接触皮膚炎のうち,一番よく見られるのがピアスやネックレス,指輪などによる皮膚炎で,それらの多くがメッキに含まれるニッケルによるものです.触れないようにして治療すれば,比較的容易に軽快しますが,最近増加している金によるピアス皮膚炎は触れていなくても治りにくいです.幼児の砂かぶれや時計の革バンドはクロムによるもののようです.
水銀皮膚炎は体温計の破損で水銀蒸気を吸うことで起こります.最近は水銀体温計自体が少ないのであまり見かけなくなりました.手足に膿疱(膿を持った小さなふくらみ)が出来る掌蹠膿疱症は慢性扁桃腺炎が主原因となることが多いですが,歯科金属によるものも少なくありません.さらに,手足に出来やすい汗疱(ごく小さな水疱が無数に出来る)もニッケルやコバルト,スズとの接触を避けると軽快することがあります.また,重症のアトピー性皮膚炎と診断されている人の中にクロムなどの金属アレルギーを有する人がいて,これらの金属との接触を避けるだけで症状が改善する人がいることも報告されています.このような例を「偽アトピー性皮膚炎」と呼ぶことがあります。









