多汗症
汗が通常よりも多いことを多汗症といいますが、これには全身性と局所性のものがあります.全身性の場合は甲状腺機能亢進などの基礎疾患がある場合もありますが,局所性はほとんどが温熱刺激や精神的緊張によってわきの下や手足などに限って汗の量が増えている状態です.
わきの下の多汗症の場合,治療法は10-20%塩化アルミニウム水溶液などの塗り薬,安定剤などの飲み薬,脂肪吸引による汗腺除去,交感神経節切断術,ボツリヌス菌毒素の注射などがあります.症状の軽い方は塗り薬や飲み薬が有効です.それで効果が不十分である場合はボツリヌス菌毒素の注射をお勧めします.食中毒で聞かれる名前なので,恐い薬のような印象を与えますが,全身の副作用が起こるとされる量の数百分の1で効果が出るので,注射時の痛み以外には副作用がほとんどありませんし,生活上の制約も全くありません.効果は他の治療に比べて最も強力です.効果の持続は3〜6ヶ月ですが,繰り返しの施術は可能です.ただし,保険は適用されません.(院長は2001年ににボツリヌス毒素による腋窩多汗症の治療について日本で初めて論文発表しました.)
長期間の効果を求める方は,脂肪吸引による汗腺除去や交感神経節切断術となりますが,費用が高額で副作用が強い割に効果が不十分なこともあるので,治療の選択は慎重に行う必要があります.手術に関しても残念ながら保険は適用されません.各治療法のメリット,デメリットを理解して自分にあった治療を受けられることをお勧めします.
論文 湧川基史ほか Botulinum Toxin type A による腋窩多汗症の治療
図1.治療前後の汗量の比較
図2.20人(33部位)の治療前後の汗面積の比較
取材:週刊朝日「名医が勧める治療法」 2001年6月15日号 P1 P2 P3
別冊宝島「美肌スキンケアVol.2」 2001年12月号 P1 P2









